重森柾ト(しげもりまさと)
1979年秋、広島県生まれ。現在、神奈川県在住。絵画作品の制作により、国内外で発表をおこなう。
現代社会には、両性具有が溢れています。ファッションや人格における男女性差の曖昧さ、時代錯誤な表現、コミュニケーションはネットの発達で距離感が曖昧になっています。
美術は、19世紀に起こったジャポニスムをはじめ現代に至るまでにあらゆる国々で文化が輸入され輸出され、和洋折衷となりました。全てが互いに対でありながらも同一化しようとしています。その先に見えてくるものは、絶対唯一な個性が影を潜め、多様化した表現の組み合わせによって、それぞれの個性を見いだそうとする現代社会の特徴であり、それこそが、私の作品をなすコンセプトなのです。
私の作品は、19世紀に日本で衰退した浮世絵や美人画、花鳥画を描いた日本の画家たちと、それらにファッションや時代性を反映させた、大正浪漫と呼ばれた表現の流れを汲んでいることから、西洋印象派のジャポニスムへの傾倒から派生したもので、レトロフューチャー(懐古主義)を思わせる描写が特徴です。
現代社会における感性を、絵画を通して発信していきたいと考えています。